ありふれた事件

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Macbookが壊れて自尊心も壊れた

先日、公私で使っていたMacBook proが壊れた。前々から突然電源が落ちたり積んでるメモリの割によくフリーズしたりオカシイとは思っていたのだけれど、ついに起動しなくなった。電源は入るものの、すぐに「フォルダにハテナのアイコン」がでてしまい先に進めない。

説明はなかったが直感的に深刻なトラブルだとわかった。原子力マークや劇物マークは文字がわからない人にも「あ、これヤベーやつだ」とわかるデザインになっているという。多分このマークもその類だ。

僕は目の前が真っ暗になった(Macだけに)。中に入っているデータはこの際どうでもいい。自分がMacを使えなくなったという現実に軽くパニックになった。

僕はアラサー実家暮らし借金持ち中小企業勤務のキモい金のないおっさんである。自分もそれがいかに絶望的で虐げられるべき属性かはわかっているつもりだ。でも、そんな僕がお天道さまの下で生きられる拠り所の一つがMacbookだった。macbookを常に持ち歩いて出先でも対応する僕、カフェでMacを広げて仕事をする僕。そういう行動の一つ一つに「そこいらのいい歳して社会保険にしか入れないおっさんとは違うぞ」と自負を感じていたのだと思う。

そんな焦燥感に駆られてその日は会社を早退してアップルストアに行った。

やっぱり状況は深刻。「HDD」「HDDのケーブル」「マザーボード」のどれかが壊れていて、どちらにせよ約7万円の修理費用がかかってしまうらしい。

7万円……Macに限らなければ新品のパソコンが買える。

Windowsでは駄目だ。Windowsだとどうしても必死感や使われている感が出てしまう。やっぱりマックでなきゃ。正直Macはデザインだけで大したパソコンではない。社会との互換性を考えるとむしろ不便だ。でも、それなのに「あえて」Macを使っているということが余裕の象徴であり、僕の心のやわらかい場所をどうにか支えているのだ。

とはいえ7万円でも僕にとってはすぐに出せる金額ではない。そこで一つの可能性に賭けることにした。「HDDのケーブル」を自分で交換するのだ。原因とされる三つの部品の中でこれだけが自力で修理でき価格も5000円と安価で済む。もちろんHDDケーブルが原因じゃなければ、全くの損になるけれど僕の金銭事情から考えると選択肢はこれ意外ほぼ無い。

早速、パーツ屋に行く。先日ビットコインで大負けしていた僕は本当にお金がなかったので家中の小銭をかき集めて5000円を用意した。札は一枚も無い。さすがに店員さんに申し訳なくなって「お金がなくて……これでいいですか?」と断わった。自分が崩れた、というか化の皮が剥がれてしまったような気がした。普通なら「お金がなくて……」の部分はいわない。多分これもMacが壊れてしまったことの精神的影響だろう。逃げるようにお店をでて早速作業をする。

結果はダメだった。ケーブルを変えてもMacは起動しなかった。なけなしの5000円と自尊心を失っただけである。

ただ、幸いにしてHDDは無事だったのでUSBでつないでなんとかmacを動かすことはできた。原因はロジックボードで確定。修理7万円コースだ。

さて、どうしよう。

いかにMacとはいえ外の剥き出しのHDDをつけたままでは、ツギハギの洋服の様にみすぼらしい。しかも、このUSBが不意に外れてしまったらたちまちMacは全機能を失ってしまう。今までの様に颯爽と振る舞うのは無理そうだ。

ただ、このどうしようも無いギリギリの状態は自分の現状を象徴している様で持ち主にお似合いかもしれないな、とも思った。